マンションやアパートに固定回線を引く時に、複数の種類のネットワーク回線から選べることが可能で、同軸ケーブルを用いたインターネットがその中の一つです。各回線の仕組みや特徴、同軸ケーブルを使ったインターネットのメリットとデメリットを理解した上で回線を決めることが大事です。そこで、今回の記事では、ほかの回線の特徴を触れながら、同軸ケーブルを使用したインターネットの詳細を説明します。
固定ネットワーク回線にはいくつかの種類がありますが、ここでは同軸ケーブル、電話回線、および光回線に重点を置いて解説していきます。
同軸ケーブルを用いたインターネットとは、ケーブルテレビ事業者が提供する同軸ケーブルを利用してインターネットにアクセスするサービスです。同軸ケーブルを使ったインターネットを利用するには、事業者と契約して工事をする必要があります。同軸ケーブルの新規申請が停止されており、依然としてを使用している地域もありますが、ケーブルテレビ事業者が次々とサービス終了を発表していました。
電話回線を使ったインターネットの中には、ADSLとVDSLが近年もっとも使われている回線方式です。簡単に説明すると、ADSLは電話回線だけを利用したインターネット回線で、VDSLは電話回線と光回線の両方を利用したインターネット回線です。このネットワーク回線では、通常の電話では利用できない周波数帯を使ってインターネットに接続し、電話とインターネットを同時に利用できるため人気があります。なお、ADSLは同軸ケーブルを使ったインターネットと同様で、サービスがまもなく終了することが予定されています。
光回線とは、光ファイバーを使った通信回線のことです。電磁波の影響を受けないため、通信が速いだけでなく非常に安定していることから、インターネットに大きく頼る世代に高い人気があります。光回線を導入するには、工事をする必要があり、建物の状況によっては工事が困難または不可能な場合もあります。
ここからは、同軸ケーブルを用いたインターネットを使うメリットとデメリットを詳しく解説します。
同軸ケーブルには主に2つのメリットがあります。それは、同軸ケーブルは光回線のない地域でも利用可能という点と、有線接続で通信が安定している点です。
同軸ケーブルはもともと、信号受信状態の悪い地域の人々にテレビ放送サービスを提供していました。同軸ケーブルのサービスエリアには光ファイバー装置が整えていない地域も含まれる場合があるので、光回線のない地域でも同軸ケーブルによるインターネットが利用可能になりました。
また、同軸ケーブルを使ったインターネットは、電波ではなくテレビ放送に使われている有線の同軸ケーブルを使用しているため、電波状況に影響されず常に安定なネットワークを利用できます。
同軸ケーブルを使ったインターネットの最大なデメリットは、インターネット通信に使用できる帯域幅が限られていることです。そのため、高速なデータ通信が必要な場合や大量のデータを処理する場合には制限があります。同軸ケーブルを使ったインターネットが利用されている主なシーンでは、一本の主斡線が分配器を通じて異なる住户に配分されますので、同時に接続されている住戸が多いほど、通信速度が低下します。また、分配器が使用される同時に、分配器が多層にカスケードし、挿入損失を起こすことにより、ユーザーのネットワーク状況が悪化する可能性があります。同軸ケーブルを使ったインターネットにおいては、一本の主斡線を用いて最大32サブユニットしか対応できません。
そして、同軸ケーブルは周囲の電子機器や他の電波源からの干渉によりノイズの影響を受けやすいというデメリットもあります。長いケーブルを使用したり、長距離にわたって信号を伝送したりする場合、ノイズの影響が大きくなる可能性があり、通信品質が低下し、正確なデータ転送ができなくなります。
ここまでは、同軸ケーブルを用いたインターネットの基本知識、メリットとデメリットを紹介しました。同軸ケーブルを用いたインターネットは、光回線が整えていない地域でも利用できるメリットがありますが、同時に利用されるユーザーによって通信速度が大幅に低下するなどのデメリットもあります。では、同軸ケーブルといった既存配線の便利さやリーズナブルな価格と、光回線のような高速通信を兼ねるネットワーク構築ソリューションは存在するのでしょうか？実は、マンションやアパート、ホテルなどに既存の電話回線と、必要なネットワークデバイスを追加するだけで簡単に実現できます。
